一般財団法人 工芸財団

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沿革

■ 日本の産業工芸とデザインの研究・振興施策の歴史は1928(昭3)年の商工省「工芸指導所」の設立から始まります。固有の伝統的工芸技術を新時代の産業技術と生活文化に対応するものへと脱皮させる世界に比類のない国策事業でした。工芸指導所は戦後「産業工芸試験所(IAI)」と改称され、「デザイン」という新たな言葉を掲げて生活製品と住環境の創造にかかわる先導的な方法技術の研究と啓蒙活動を展開しました。「工芸財団」はこの産業工芸試験所の活動を支える調査研究、普及業務を行う組織として1952(昭28)年に設立されました。

 

■ 日本のデザインは戦後の高度経済成長期に一気に開花し、日本人の生活と文化を変える原動力の一つになりましたが、その過程で産業工芸試験所はデザインとその関連科学分野の新たな方法技術を果断に探求、提起し続けました。市場調査、生活調査、心理学、人間工学、プラスチック技術、標準化、そして製品科学研究所(IPRI)へと改組された後にもコンピュータ活用技術、システムデザイン、ハンディキャップ配慮デザイン、インターフェースなど時代に先駆けた研究課題に取り組み、デザインと関連科学分野での先導的役割を果たしました。この製品科学研究所は1969(昭44)年に改組統合され、工芸指導所から始まった国立研究機関におけるデザインと関連科学の研究は終結しました。

 

■ 今日、デザインは環境問題、情報化、産業のグローバル化などさまざまな問題への対応を課題として抱え続けながら産業と社会の時代要請に応じて多彩な展開を見せています。大学や企業ではデザインを歴史文化の視点から考察する、工学の視点から方法技術を提起する、企業戦略の一環としての企画開発に踏み込むなどさまざまな立場からの研究も展開されています。しかし多彩な展開を見せる一方で、それぞれの取り組みが分化し、根幹となる視点があいまいになっているとも思われます。

 

■ 工芸財団の活動を存続そして展開することの理由は、工芸指導所以来の研究と啓蒙が生活や社会の将来次元の「あるべき姿」を考究し、産業技術、関連科学そして歴史文化、社会制度などさまざまな問題との関係を総括的に考えて「為すべきこと」に取り組むことを使命としていたことで、それは今日そして将来も必要とされると考えるためです。工芸財団はデザインや産業工芸そして関連科学をこのような視点に立脚して研究、啓蒙する組織として活動を展開していきます。ご関心のある方々の積極的参画を希求しております。

1953(昭28)年5月

産業工芸試験所の業務を助長するとともに、工芸及び工業製品に関する技術の調査研究、指導を行い、工芸及び工業製品の振興に寄与することを目的として設立。東京都大田区調布大塚町に事務所を置く。

 

1964(昭39)年9月

財団の事業拡充により新しく事務所を横浜市港北区下田町に建設移転。

 

1969(昭44)年11月

産業工芸試験所が製品科学研究所と名称を変更したことに伴い寄付行為の当該条項を変更。

 

1973(昭48)年

工芸指導所初代所長国井喜太郎氏の業績を記念する表彰事業として「国井喜太郎賞(後に国井喜太郎産業工芸賞)を制定、特別事業として発足。

 

1980(昭55)年12月

製品科学研究所の筑波研究学園都市への移転を機に事務所を現在地に移転。

 

1993(平5)年4月

在つくば4研究所の再編に伴い旧製品科学研究所から日本工芸技術協会事務局を引き継ぐ。

 

2013(平25)年4月

公益法人制度改革に伴い「旧財団法人 工芸財団」から「一般財団法人 工芸財団」に移行。

 

2013(平25)年5月

一般財団法人 工芸財団の最初の評議員会が開催され、新定款制定と新理事・監事の選出が行われる。

 

2013(平25)年6月

一般財団法人 工芸財団の最初の理事会が開催され、新理事長に岩井一幸理事が選出される。